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『乾杯!』の表紙を飾ってくれた小林龍一氏の作品

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『乾杯!』の表紙を飾ってくれた小林龍一氏の作品

 今回は、クリエイターの「小林龍一」について話をしてみたい。

 僕は3週間前に、札幌市白石区にあるインタークロス・クリエイティブ・センターへ出かけてみました。部屋には10名ほどのクリエイターたちの仕事が並べられていて、僕はゆっくりと彼らの作品を見て回りました。

 その中で3人ほどの仕事振りが印象に残ったのですが、取り分け小林龍一の作品が目に止まりました。僕はクリエイティブな仕事にしか興味はなく、例えば自分の作品の表紙を何にするかで揉めたとき等には、結局のところ、僕の意見を通すか初めから他人の意見を通すかで決まったものでした。

 ですから、目当てのものが見つかるか、という下心とともに出掛けて行ったのは初めてのことだったのです。僕には初めから “偏見” がありました。つまり、ただピンクや白で塗りたくったような女性がたむろしている作品には全く興味がなかったのです。それらはただまとまっているだけで、主張がどこにもありません。作家の顔が全く見えない作品には、かえってこちらが怖くなってしまうのです。

 僕はそこに並べられていた作品の半数以上が、その手に毒されていると思いました。僕にとって興味があるのは、作品と同時に作り手の心であり、顔なのです。作り手の顔が見えない作品を、僕は拒否するつもりだったのです。

 しかしこの小林龍一の作品を見た途端に、僕は作者の顔が見えたと思ったのです。新鮮な驚きでした。熊が僕の小説に登場するわけではありません。しかしその熊が何かを話しかけてきます。その話の内容こそが、僕の小説と通底しているように思うのです!

 小林龍一が先週、僕のオフィスを訪れてくれました。まだ学生のような若々しい男性でしたが、力強く、センシティブで、物事を深く考える顔をしています。ビジネス、成立です。皆さんも彼の作品をお楽しみ下さい。

小林 龍一 Ryuichi Kobayashi

小林 龍一

1988年生まれ、札幌市在住。北海道芸術デザイン専門学校を卒業後、広告制作会社数社を経て、フリーランスのイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活動。アートワークとして年に数回グループ展や個展を開催。自然や暮らしの中からインスピレーションを受け、日々の生活に心地よく溶け込むようなモチーフを様々な技法を用いて表現。イラストを「紙」と「布」のアイテムに落とし込んだデザイン雑貨「こばや紙」も好評。北海道イラストレーターズクラブアルファ会員。日本グラフィックデザイン協会会員。 

ウェブサイト http://ryuichi-kobayashi.com/index.html

ショッピングサイト https://ryuichi-kobayashi.shop/

展示会情報

みまのめvol.8

会期:2022年10月8日(土)〜 12月4日(日)
会場:北海道立三岸好太郎美術館(札幌市中央区北2条西15丁目)
観覧料:一般510円

https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/mkb/

北海道にゆかりのある若手作家の企画展。


小林龍一個展
会期:2022年11月1日(火)〜 2023年1月31日(火)
会場:Unwind Hotel & Bar(小樽市色内1丁目8-25)

https://www.hotel-unwind.com/otaru/


プラスアートフェス2022
会期:2022年11月18日(金)〜 20日(日)11:00-19:00
会場:クロスホテル札幌(札幌市中央区北2条西2丁目23番地)https://www.crosshotel.com/sapporo/archives/5130

客室フロアを20作家がそれぞれ1室を担当、作品の展示販売もあり。(3日間在廊)

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山本光伸プロフィール

 札幌で出版社・柏艪舎と文芸翻訳家養成校・インターカレッジ札幌を経営しています。
 80歳で小説家デビューを機にブログをはじめました。
 ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)、ボブ・グリーン『デューティ』(光文社)他、訳書は200冊以上。

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