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侍ジャパン WBC優勝! ②

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侍ジャパン WBC優勝! ②

 栗山監督は今回、ここでもし負けたら故郷の栗山に戻れないと思った、と語っていらっしゃる。これはもちろん本気ではないだろう。そのくらいの覚悟だったという意味だと思うが、さて、他の国の監督たちでこの思いに賛同する人がいるものだろうか。一瞬の悔しさのあとで、相手の力を褒める監督が多いように思える。

 それこそがスポーツ精神と呼べるものではないか。チームが勝とうが負けようが、相手と対戦出来たことを喜びとし、相手の良いところを褒めるのだ。人間みな兄弟という考えからすれば、それが当たり前だろう。

 僕も剣道を長年やっており、負けた時には人一倍悔しがったものだった。しかし20歳くらいで段位に拘る剣道に嫌気がさし、それ以降、稽古だけ一生懸命にやって、段位には無関心になってしまった。それでどうなったか? よくわらないが、僕は確実に剣道が下手になったようなのだ。やはり、格闘技はスポーツではないのかもしれない。やれやれとは思うが、それが僕という人間なのだから仕方がない。僕の夢は、無段の剣の達人に会うことである。

 さて、野球だが、日本ではこの野球に武道精神を入れ込もうとしているように思えてならないのだ。武道となれば、やはり生きるか死ぬかという面が付いて回るだろう。しかし、野球とは決定的に違うものではないのか? 野球はあくまでもスポーツであり、人はそれを楽しむべきなのだ。そう思って今回のWBCの試合を振り返ってみれば、随所に喜びとスリルが満ちており、楽しい十日間を過ごすことが出来たと感謝するしかないのである。

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山本光伸プロフィール

 札幌で出版社・柏艪舎と文芸翻訳家養成校・インターカレッジ札幌を経営しています。
 80歳で小説家デビューを機にブログをはじめました。
 ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)、ボブ・グリーン『デューティ』(光文社)他、訳書は200冊以上。

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