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着物と日本人 ①

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着物と日本人 ①

 今回は話題を変えて、「着物」にしましょう。皆さんは毎日、何を着て生活をしていますか。僕は剣道をするとき以外は、いわゆる西洋風の衣料を普段着としています。しかし女性の皆さんは着物を持っていらっしゃることでしょう。僕の家内も数着の着物を持っています。

 最近、日本でも着物を着る若い人が増えてきたように思います。特に正月などには、かなりの数が目に付きます。僕はしかし、目にする度にがっかりするのです。和服姿の女性は、それこそ震い付きたくなるような美形の方もいらっしゃるのですが、男性はどうもそうはゆきません。いえ、はっきり言って、僕はこれまでに和服の似合う日本人男性には一人も合ったことがないのです!

 まず、絶対的に背が低すぎます。どうしてか、みな背が低く見えてしまうのです。相手の女性が草履を履いて背が高く見えるからなのかどうか、とにかく不思議な現象ですね。誰もがお嬢様に付き添う丁稚奉公人のように見えてしまうのだから困ります。

 それからもう一つ、僕に理解できないのは、どうして袴を付けないのか、と言うことです。袴さえつければ少しはよく見えるのに、と残念でなりません。袴を着けない日本人はかつて、誰もが商人だったはずです。士農工商の最後に位置する商人の恰好をして、良家のお嬢様風いでたちの女性と並んで歩くのは、どうしたって似合うはずがないではありませんか。

 しかも裾を乱すまいとしてチョコマカ歩くのですから、おかしさが倍増されます。袴さえ着ければちゃんとした草履をはいて、いくらでも大股で歩くことができるのです。若い男性諸君、呉服屋の甘言に惑わされないようにご注意を!

 僕の意見は剣道に偏ったもので、本質的に間違っているのかもしれません。しかし間違っているかどうかはともかく、商人風の男性とお嬢様風の女性が並んで歩くのはやはり、変だと思うのが普通ではないでしょうか。それとも、僕の考えはどうしようもなく古臭いのかな?

 

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山本光伸プロフィール

 札幌で出版社・柏艪舎と文芸翻訳家養成校・インターカレッジ札幌を経営しています。
 80歳で小説家デビューを機にブログをはじめました。
 ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)、ボブ・グリーン『デューティ』(光文社)他、訳書は200冊以上。

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