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着物と日本人 ②

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着物と日本人 ②

 それはともかく、日本人は体格が良くなったせいか、洋服がすっかり板につきましたね。僕はそう思っています。やはり着物が隠してくれていた体系のマイナス点が、かなり改善されたように思います。足の短さ、胸の薄さ、腰骨の線の細さ、等々。先日テレビで見た外国人のダンサーたちは、足が長過ぎて逆におかしく見えるのです。僕がそれを言ったら、外国の友人は不機嫌そうな顔をしていましたがね。

 例えば、野球の大谷選手ですが、彼はパーフェクトな体型をしていますよね。日本人も次第にそうなってくるとすると、今度は着物を着なくても済むようになるかもしれない。我々の体の弱点(と言われていた)を隠すための着物は必要なくなるかもしれない。

 皆さん、外国人の女性が日本に来て着物を着ると、何となく見栄えがしないのをご存じですよね。胸が大き過ぎたり、肩が張り過ぎたり。日本人もそうなるとすれば、やはり、着物を見直す時期がきたのかもしれませんよ。

 僕は自分の父親が和服で外出する姿を一度も見たことがありません。何故なのかと訊いたこともなかったのですが、おそらくは、袴を着けて歩くのは仰々しすぎると考えたのではないでしょうか。しかし父親は自宅ではかなりの時間、浴衣を着ていました。

 僕は剣道着が袴付きであることに賛成です。日本人は袴と共に初めて、自由闊達に動き回ることができるのでしょう。つまり、農・工・商が袴なしでの生活を強いられたのは、やはり、そこいらの原因があったからだと思います。

 以上の発言は、思いつきにしてはちょっと深刻な面があるかもしれません。いずれにせよ、各国が歴史的、文化的に重宝してきた民族衣装にも、そろそろ視点を変えるべき時期が来ているのではないでしょうか。

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山本光伸プロフィール

 札幌で出版社・柏艪舎と文芸翻訳家養成校・インターカレッジ札幌を経営しています。
 80歳で小説家デビューを機にブログをはじめました。
 ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)、ボブ・グリーン『デューティ』(光文社)他、訳書は200冊以上。

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