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僕のヒーロー長嶋茂雄 #1
僕のヒーロー長嶋茂雄 #1 今回は話題を変えて、野球の長嶋茂雄選手の話をしましょうか。僕にはいろいろと素敵な有名人がいるが、この長嶋さんだけは別格なのだ。年齢も彼が少し上で、似通っている。彼が大学時代に神宮球場で活躍していたころからのファンだった。 -
僕の翻訳流儀―オリジナルを書くように訳す #2
僕の翻訳流儀―オリジナルを書くように訳す #2 そして今、オリジナル作品についても同じことが言えるような気がしている。最初は、翻訳と同じように、最初から最後までの成り行きを頭に入れていた。しかし今は、一読者になって作品を書いているのだ。いざコンピューターの前に座っても、何を書くかはわからない。いや、そうではないな。主人公の一人や二人については詳細なデータを頭に入れている。ただ彼らがどう動いて何をするかが決まっていないのだ。 -
僕の翻訳流儀―オリジナルを書くように訳す #1
僕の翻訳流儀―オリジナルを書くように訳す #1 先日、ある質問を受けた。一冊の本を訳し始めてから終えるまでのスケジューリングについて教えてくれ、と。その時は、僕には何も変わったことはないから、とお断りしたのだが、また別の方から同じような質問を受け、僕も恥を晒す決心をしたわけだ。 -
翻訳家の事件簿-最終章 書き足し事件 #2
翻訳家の事件簿-最終章 書き足し事件 #2 これは、僕が意図したように、あっさりと引き下がれる問題なのか、ということです。僕は構わないにしても、編集者はどうなのか。原稿をきちんと検索していないことがはつきりしているではありませんか。彼とはもう何十年もの付き合いで、互いの手の内はわかっていると言うつもりだったのでしょう。しかし、担当者が渡された原稿を見ないとは? -
翻訳家の事件簿-最終章 書き足し事件 #1
翻訳家の事件簿-最終章 書き足し事件 ① 話は違うが、翻訳で最後の章を30ページほど書き足した例をお話したい。それは某大手出版社から依頼された英国ミステリーだった。ミステリーと言っても、ドンパチやり合うような物ではなく、登場人物たちの心理描写がぶつかり合う深刻な作品でした。 -
小林龍一さんの個展「FAMILIA」を観て ②
小林龍一さんの個展「FAMILIA」を観て ② 僕は現在、札幌で出版社を運営している。すでに20年を経ているのだが、今は芥川賞作家、丸山健二氏の作品集の出版に失敗し、出版社としてどん底の数年を過ごしている。もう潰れたかと思っている友人・知人も多いことだろう。 -
小林龍一さんの個展「FAMILIA」を観て ①
小林龍一さんの個展「FAMILIA」を観て ① 先日、小林龍一さんの個展を観に行った。場所は札幌市中央区南1条西6丁目にある、The JOHNSON STOREの中である。かつて東急ハンズがあった所だ。 -
恩師 矢野浩三郎さんの思い出
矢野浩三郎さんの思い出 翻訳業の僕の師匠、矢野浩三郎さんについて語ってみたい。と言って、僕はさほど矢野さんのことを知らないのだ。何しろ知り合ったときはまだ大学時代で、矢野さんは「矢野著作権事務所」を作るなど極めてお忙しい方だった。一方の僕はまだ大学の八年生(!)で、剣道に熱中している時だったので、矢野さんから見ればたぶん、翻訳の話もしないおかしな男だったことだろう。 -
僕の翻訳流儀 英語の原文との距離感
僕の翻訳流儀 英語の原文との距離感 文藝翻訳とは、普通は長いものです。もちろん短編もありますが、名前を残している作家には長編作品が多いいようです。その長編作品もただ長いだけでなく、一大巨編になっているのです。 -
どこで暮らすか 住む場所の決め方は? ④
どこで暮らすか 住む場所の決め方は? ④ 誰かが僕に言いました。「あんたは冬が嫌いだと言っているが、よく聞くと、結局は冬道の運転が嫌なのではないか。だったら市内に引っ越してくればいいじゃないか」と。僕はうん? と思いました。当別の山の中に住み、毎日往復三時間かけて行き来している。それを辞めればいい、だって?